CG制作テレビ用

なぜCG制作は時間がかかるのか?

奥山正次どうも、映像ディレクターの奥山です。

特に番組のオンエアが近づいているなど急を要する場合、CGの制作時間をいかに短くするかは、番組制作現場において死活問題です。
ここでは、なぜCG制作には時間がかかるのかを説明した上で「どうやったらCG制作を素早く行うことができるか?」について触れ、それと同時に特急制作を引き受けているCG制作会社についても触れてみたいと思います。

CG制作に時間がかかる理由を分析

まずは「CG制作にどうしてこんなに時間がかかるのか?」その理由をいくつかご紹介したいと思います。

①モデリングする形状が複雑で質感にもこだわるため物理的に時間がかかる
②繁忙期で仕事が多く作業に入るまで待たされる
③制作手順が煩雑で実制作時間より多くの時間を余計にかける必要がある

ハイクオリティなCGは当然時間がかかります

①については、例えばCMや専門的な内容のCGなどで、高いクオリティを求められるため物理的に時間がかかるという理由ですから、これは解決策は何もありません。発注主であるクライアントさんとしては、ただ地道に完成を待つより方法はありません。

後回しにされてしまうケース

②については、テレビ番組の制作現場ではよくある話なのですが、比較的予算がある特急制作のCGを優先しているため、安価な予算のCGは後回しにされてしまい、時間がかかるという場合です。これはもうお金を払って優先順位を上げてもらうより解決する方法がありません。
「安いからといって後回しにするとはひどい」と思われる方もいるかもしれませんが、特にテレビ用のCGの場合は「描き込み」という点ではさほど労力がかかるCGはありません。予算が高かろうと安かろうと、実制作時間はそれほど違わないのです。となると予算の違いがそのままCG制作会社にとっての「プライオリティ(優先順位)」に現れることが多いのです。まずは確実に稼げる特急CGを先に仕上げてしまい、空いた時間をうまく有効活用して低予算なCGを制作するというのが実情です。
これは逆の解釈をすれば「時間に余裕をもって発注すれば、空いている時間を有効活用して安価にCGを仕上げてもらえる」という利点にもなっています。

段取りの問題で遅くなる

③については、平たく言うと「修正や内容確認のための待ち時間など余計な時間が多い」ということで、多くのCGで時間がかかるのがこの理由からです。
ではなぜ修正が増えるのでしょうか?一番多い理由は「資料が足りない」または「資料が不完全」という場合です。CGというのは形状を立体的にモデリングする必要があるので、資料が無ければどういう形を作成したら良いかわからないのです。もちろん資料の不足はCG制作会社側のミスではありませんのでお金も余計にかかってしまいます。まずは資料を十分に用意してCGを発注することをオススメします。

さらに「内容確認のための待ち時間」についてですが、よくあるパターンとしては医学や工学など専門分野のCGで、専門家の確認に時間がかかるという場合です。こちらもCG制作会社側の都合ではありませんので時間がかかる分、余計に費用もかさみます。仕上がりを確認する必要性がある場合は、監修する専門家のスケジュールなどを事前に確認し、CGの仕上がりをスムーズに確認していただける体制づくりをお願いいたします。

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