CG制作テレビ用

テレビ業界に貢献し続けるために必要なこと

どうも、TV-CG.comを運営しているデキサの奥山です。
私たちは高いクオリティのCG動画カットを適正なコストで提供することでテレビ業界に貢献しています。こうした仕事を今後も提供していけるように、ぜひ以下のことにご留意いただけたらと思います。

プロデューサーさんからの連絡を早めにお願いします

CGの発注については、ほとんどの場合ディレクターさんやADさんなど現場のスタッフさんから直接依頼が来ます。しかし予算を管理しているのはプロデューサーさんのはずです。
ところが現場のスタッフさんから発注をいただいているにも関わらず、プロデューサーさんが発注内容を把握していないことがあり、後でトラブルになることもあります。これは発注をメールや書面で(いわゆる三条書面の体裁は整っているものを)しっかりいただいている以上、私たちCG制作者に落ち度はありません。
一刻を争う特急のCG制作のご依頼をいただいた場合、プロデューサーさんが知っている知っていないにかかわらず、現場スタッフの方々からご依頼を頂戴した段階で私たちCGクリエイターはやむなく仕事にとりかかることがあります。少なくとも発注内容が明確に記された法的な最低要件を満たしたメールがあれば、すぐにでも作業にとりかかるようにしています。
ですので、なるべく早めに予算管理の責任者の方からのご連絡が欲しいのです。
プロデューサーさんからのご連絡をいただけない場合、費用については動いた工数によって掛け算で算出した金額で請求書を提出するしかない状態なので、プロデューサーさんも、部下がどのような発注を行っているかについて心配りを御願いしたいと思います。

可能な限りコンテをお願いします

テレビ番組のCG制作は常に時間との闘いです。そこで無駄な作業を省くためにも、描ける範囲でかまいませんので要点がわかるようなコンテをぜひディレクターさん自身で描いてお送りください。
不完全なご発注でCGを制作し、その結果、完成したカットを納品した後で修正をいただくことがあります。こうした場合、不完全な発注原稿が元で起きたイメージの乖離は私たちCGクリエイターの責任ではありません。
もちろん時間が無い場合は事情を鑑みてコンテなしで台本からいきなりCGを制作することもありますが、それは私たちクリエイターが善意の範囲で行っていることであって、正確には「発注」という体を成していません。それによって起きたことについては制作さんのほうで責任を持っていただきたいのです。それができない状態が続くと、今までのように「コンテが描けないから台本を読んでCGを作ってくれますか?」というオーダー内容にお応えすることが難しくなってしまいます。
コンテが描けないなら、「何ができていればOKなのか?」というゴール地点だけでも明確にお示しいただくようお願い申し上げます。

グロス発注はお断りします

先に予算を決め、何回内容変更を加えてもその金額しか請求できない受注形態、つまりグロス発注は、すべてお断りしております。理由は簡単で「法律違反」だからです。
下請法の適用業種に映像が含まれる前は、こうしたグロス発注が横行していました。しかし下請法の適用業種に映像制作業界が含まれたことには意味があります。
内容変更が無料となれば当然修正を前提とした曖昧な発注がまかり通ってしまいます。曖昧に発注して、上がってきたCGを見てから変更をかければ良いという考えも可能ということになります。結果として何度も内容変更作業を繰り返すことになるのですが、その変更の手間はもちろん無料。これではCG制作会社は維持していけません。実際過去にはこうした無謀な発注が相次ぎ、経営が傾いたCG制作会社も多数存在します。
私たちはもちろん見積金額の中で済むように努力をいたしますし、こちらの非で発生した修正を行うことは織り込み済みです。しかし変更については追加料金を頂戴いたします。

地獄の沙汰もなんとやら

どうにも人聞きの悪い見出しですが、特急CGに限ってのことですが、急げば急ぐほど料金は高くなります。
私たちCGクリエイターは制作さんとは立場が違います。番組の制作スケジュールや予算管理、そしてクオリティ管理に関しての責任はハッキリ申し上げて持っておりません。もちろん私たちは皆さんの番組のために、必要とあらば24時間体制で働き続けますが、しかし厳密に言えば責任は全く無いのです。
ですから仕事が山のように積もっている状態ではお断りするより他ありません。とはいえ「ちょっと無理をすれば何とかできる」ということが大半です。そこで決め手となるのが「ギャランティ(報酬)」です。
CGクリエイターというのは育つのに長い時間がかかります。ですから当然、そんなに多くのクリエイターがいるわけではありません。これはディレクターさんと同じです。修行中にやめてしまう人が大半で、生き残る人が少ないのは制作の方々と同じ状況です。ですので生き残った一人前のCGクリエイターには仕事が山のように集まっています。それと同時に、多くのCGクリエイターの人件費というのはあまり安くないのが現状です。私たちCG制作会社としても、それぞれのクリエイターのスキルに見合った報酬を支払いたいと考えています。
そこで、急ぎの仕事で無理・無茶を通すためにも、それ相応の予算を組んでいただきたいのです。ぜひよろしくお願いします。

「今後も仕事があるから」は通用しません

よく「次もお仕事をお願いしますから今回はお安くできませんか?」という口約束をされる方がいらっしゃいます。しかし今回は今回、次回は次回」というスタンスを私たちは貫いています。
良い仕事をするためには、お互い甘えがあってはならないと思います。当たり前のことなのですが、ぜひ、仕事は一件ずつ完結するものだという考え方でご発注をお願いします。
ただしテレビ番組の場合、レギュラー契約という方法があります。レギュラー参加のCG制作プロダクションとして、しかるべき契約を結び、エンドクレジットにも社名が明記されるような場合、費用についてはご相談に応じさせていただきます。

契約書をお願いします

さて、これが一番大切なのですが、ぜひ契約書をお願いします。いわゆる「下請法」で定められておりますが、契約というのは契約書があってはじめて成立するものです。しかしテレビ番組のCG制作の場合、契約書すら交わす時間が無いことがほとんどです。
そこで、私たちは受注した事実を確認するためにも、発注した事実を明記したメールを送ってくださるようにお願いしております。細かいようですが、コンプライアンスという言葉が普及して久しい今日、最大限の譲歩策が、この一通のメールです。
ぜひご協力をよろしくお願い申し上げます。

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